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地域医療連携室

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『トラウマの理解・PTSDと解離の病理 研修会開催』

2020-09-28
2020年8月19日、当院精神保健指定医 徳丸武彦先生により“トラウマの理解・PTSDと解離の病理“の研修が行われました。
 
研修では①トラウマ体験者の世界観、②PTSDおよび複雑性PTSD、③PTSDと解離、④トラウマ体験者との関わりと治療について、資料や具体例を使用してのお話しがありました。
 
①トラウマ体験者は「世界」、「他人(身近な人)」「自分」への信頼感が喪失する。自然災害によるトラウマよりも、「人災によるトラウマ」のほうが、症状が重篤化することが多い。
 
②PTSDでは、「侵入(再体験)症状」、「回避症状」、「陰性気分」、「覚醒症状」が見られ、複雑性PTSDでは、対人過敏があり、自己否定に対し「脅威のセンサー」が作動し、「過覚醒」や「解離」をきたす。
 
③PTSDと解離の中では、「PTSD」傾向を示すか、「解離」傾向示すかは、愛着パターンも関係する。
 
④トラウマ体験者の回復は支援者の存在が重要であり、支援者はトラウマを理解し関わる。
 
 
 
 
今回、トラウマ体験者に対する理解や種類、原因、病態、そして関わり方や治療法をとても分かりやすく徳丸先生に説明して頂き、あっと言う間に時間が経ちました。トラウマには様々な原因があるが、特に対人トラウマは大きな傷を残し、自尊心を失くさせ、自身さえ信用できず道に迷い、とても孤独を感じる病であることを学びました。またPTSDと解離は、相反する性質をもちつつ重複する部分があり、そこには愛着が深く関係していることを知り、人が人を傷つけて、人が人を癒すのだなと考えさせられると同時に、私自身の過去や子育てを思い返すことができました。本日の学びを、少しでも多くの方の支援に活かせるよう、今後も研鑽に励みたいと思います。
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